リバー・ランズ・スルーイット

 

 

今までの人生で一番観た映画は「リバー・ランズ・スルー・イット」だ。

 

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初めて観たのは中学2−3年の深夜勉強型だった頃。

毎日のルーチンは
部活から帰る→風呂入ってご飯→寝る→起きる(21時頃)→勉強開始→寝る(2−3時頃)
→起きる・学校に行く(8時)

21時ー3時までの間、勉強のひと休みでテレビを観てた。

よく観ていたのが「beat UK」「深夜シアター」。
beat UKはイギリスの音楽ヒットチャート番組でヒット曲のMVを流していた。
当時ヒットしていた曲は4Non BlondesのWhat's UPやGabrielのdreams、
ホイットニーヒューストンのalways love youは2ヶ月ぐらい1位を独占していたと思う。
何度MVを観たっけなというくらい1位を長期独占していた。

深夜シアターは、テレビをつけると大概、映画が始まっていて、
途中でも構わずぼーっと観て、ある程度ひと休みできたなと思ったら
テレビを消して勉強に戻った。
たまに見入ってしまい、夢中になる映画もあり
そんな時は録画して、時間のある土日に続きを観ていた。

beat  UKも深夜シアターも毎週開始時間に合わてテレビをつけていたのでは無く
勉強の一休みとしてふらっとテレビをつけて、お、やってんな、ぐらいのついでで
観ていたのだが、毎週観たいなと思うようになり、録画して毎週末、観るようになった。

その録画の中に「リバーランズスルーイット 」があった。

内容は二人の兄弟を描いた実話だ。

映画に惹かれたのは映像の美しさ。
モンタナの広大な森と川、フライフィッシングの糸や川面の水が太陽にに反射して
キラキラと眩しい。
映像を観ていると、ホッとするような、息を呑むような美しさ。
まるで自分がその場にいて、キラキラ光る水や糸が眩しくて目を細めてしまうような
森や川の匂いがするような、そんな映像。

映像の美しさは何度観ても飽きることなく、新鮮な感動がある。
もう一つ美しいのが、弟を演じる若かりしブラッドピット。
主人公の兄が、弟が大物の魚を釣り上げた時を振り返って次のように語る。
この言葉の通り、美しい弟が映像におさまっている。

その瞬間、僕ははっきりと感じた。完成されたものの美を

 

僕は同時に感じていた。人の世は芸術ではなく、永遠の命を持たぬことを

 

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当時、映画を繰り返し観ていた私に母が、これってどういう映画なの?
と聞いてきた。一緒に何度も観てるからわかってるのにあえて聞いてきたのだろう
うまく伝えられない私はうーん・・・と何も言えなかった。
いまだにうまく言葉で伝えられない。

この映画をおすすめたいのは
友達、夫婦、家族など身近な存在なのに理解し合えないことに悩んでる方
助けたいと思う大切な人がいる方

 


愛する者の本当の助けは難しく、手を差し伸べても腕の間をすり抜けていってしまう。

人は完全に理解し合えない。

ただ愛することだけできる。

 

 

愛する者の本当に助けとなることは難しい。自分の何を差し出すべきか、あるいは差し出しても相手が拒否してしまう。身近にいながら腕の間をすり抜けてしまう。

できるのは愛すること

 

完全に理解する事はできなくても、完全に愛することはできる

 

あの頃理解しあえず、でも愛した者たちは、妻ジェシーを含め世を去った。今は心で語りかける。この歳で釣りもおぼつかない。友達は止めるが、一人で流れに糸を投げ入れる。谷間にたそがれが忍び寄ると、すべては消え、あるのは魂と思い出だけ。そして川のせせらぎと四拍子のリズム。魚が川面をよぎる期待。やがてすべては一つに溶け合い、その中を川が流れる。洪水期に地球に刻まれた川は、時の初めから岩を洗って流れ、岩は太古から雨に濡れてきた。

岩の下には言葉がその言葉の幾つかは岩のものだ。

私は川のとりこだ

 

4K発売して欲しい。